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28.4.09

経済にも影響

 豚インフルエンザの発生で、世界経済の回復が遅れるとの懸念が広がっている。

 震源地のメキシコでは、豚インフルの流行によって、観光需要が鈍化するほか、自宅待機を強いられて買い物客も減る公算が大きい。このため、米国のリセッション(景気後退)入りによって輸出が減少し、すでに冷え込みつつあるメキシコ経済が、さらに減速する可能性がある。メキシコのコルドバ保健相は26日、地元テレビ局の取材に対し、豚インフルによる死者が103人に達したことを明らかにした。

 ≪メキシコ非常事態≫

 メキシコのカルデロン大統領は非常事態を宣言。首都メキシコ市にある学校を5月6日まで休校とするほか、公共イベントの中止を発表した。国立博物館も閉鎖され、幾つかのレストランは空っぽになった。

 メキシコのカルステンス財務相は、豚インフルの流行により、宿泊施設や飲食店が大打撃を受けて、経済が混乱に陥る可能性は高いとの考えを明らかにした。

 米証券会社バルチック・セキュリティーズの債券調査部門で責任者を務めるアルベルト・ベルナール氏によれば、もし、豚インフルの感染が拡大し、観光業や貿易が制限されれば、今年のメキシコのGDP(国内総生産)は予想よりも収縮する可能性があるという。

 金融危機で失業者が増えている米国は、豚インフル感染者が確認されたことで、「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言。27日の時間外取引で米国債10年物はここ1週間で最大の上昇(利回りは低下)をみせた。

 証券会社MFグローバル・シンガポールのケニー・ボロウィッツ副社長は「緊急事態宣言が出たことで、安全資産への需要が高まった」と解説する。同氏は「豚インフルの流行が続くようならば、経済の減速につながる可能性がある」と指摘した。

 全米薬局チェーン2大手のCVSとウォルグリーンは、北米での豚インフル拡大による衛生用品や薬に対する需要が大幅に増加する見込みから、対応を加速。消毒薬やマスク、インフルエンザ治療薬「タミフル」の追加発注を行ったという。

 豚インフルエンザの発生を受け、メキシコ、米国両国からの豚肉輸入を制限する動きも広がりつつある。中国国家質量監督検査検疫総局のウェブサイトによると、中国は豚インフルエンザが広がっているメキシコと一部の米国からの豚肉製品の輸入を禁止した。インドネシアも27日からメキシコ産の豚肉と豚肉製品の輸入を禁じたほか、ロシアも一部の米国からの豚肉輸入を禁止した。今後、さらに広がる可能性もありそうだ。

 ≪アジア株下落≫

 一方、27日のアジア株式相場は総じて下落した。上海総合株は2週間ぶりの安値を記録。中国の航空大手、中国国際航空が香港市場で14%安だったほか、アジア最大の上場カジノ運営会社であるゲンティングは4.9%下落した。豚インフルエンザの拡大で、観光業が打撃を受けるとの観測が広がった。

 新型肺炎(SARS)の記憶も生々しいアジア市場について、金元比聯基金管理のワン副CIO(最高投資責任者)は「豚インフルエンザの感染が投資家の間で若干のパニックを引き起こしている」との見方を示した。

 WHO(世界保健機関)は28日に緊急委員会を開き、警戒水準を引き上げるかどうかを協議する予定。仮に同水準が引き上げられれば、世界経済は一層の混乱に見舞われそうだ。

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